Pablo Neruda
パブロ・ネルーダ(1904-1972)

イズラ・ネグラの思いで』より

あの時代だった……詩がわたしを
求めてやってきた どこからやって来たのか
わたしにはわからない 冬から来たのか川から来たのか
いつどうやって来たのかもわからない
それは声でもなければ言葉でもなく
沈黙でもなかった
けれど通りから私を呼びだした
夜の枝の茂みから
突然ほかの人たちから
強い燈火のなかで
あるいは一人で帰るとき
そこで詩は顔もなく
わたしに触れた

なんと言えばいいのかわからなかった わたしの口は
どんな名前も
呼ぶことができず
目は見えず
そして何かがわたしの中ではばたいた
熱か失なわれた翼か
それからわたしは進んだ
その炎を解読して
わたしは最初のあいまいな行を書いた
あいまいで中身のない
まったくナンセンスなことを
何も知らない者の
純粋な知恵を
すると突然わたしは見た
解き放たれ
開いた
天を
惑星たちを
震える農園を
矢や炎、花だらけの
穴の開いた影を
曲がりくねった夜を 宇宙を

そして無限に小さな小さな
わたしは酔った 星をちりばめた
大きな空間と
類似と
神秘の像に
自分が地獄の純粋な
一部だと感じ
わたしは星とともに回り
心は風に乗って束縛を解かれた

 

マチュピチュの頂

100の愛のソネット

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