マチュピチュの頂(抜粋)

わたしには愛せなかった それぞれの人間の裡で
小さな秋(幾多の木の葉の死)を背負う木を
大地もなく深淵もない
あらゆる偽りの死と復活を
わたしは泳ぎたかった 無窮の生の中で
無限に広がる河口で
だが 人が次第にわたしを拒みだし
わたしの泉の手が その傷ついた不在に触れぬよう
通り道や扉を閉ざし始めたとき
わたしはいくつもの街路を 川を
町を 寝床を渡り歩き
わたしの塩辛い仮面は荒野を横切り
ランプも 火も パンも 石も 静けさもない
最も慎ましい家を次々と訪ねては ただひとり
わたしは自分だけの死を遂げていった