車谷長吉 (1945-)
新しい「私小説」家の一人。この時代には珍しく、何十年間も一人でこつこつと小説を書きつづけてきたカフカ的作家で、なまなましく文学を生きる者の言葉を届けてくれる。
『鹽壺の匙』、新潮社、1992年。新潮文庫、'95年。三島由紀夫賞。
生前の遺書。語ることがタブーだった金貸しの親族の物語。この「鹽壺の匙」を書くまでに作者は二十年かかったらしい。
『漂流物』、新潮社、1996年。新潮文庫、'99年。平林たい子文学賞。
あふれ出る言葉に一度読み始めたら車谷の言葉の呪縛にとりつかれてしまうこと請け合いの「私」小説集第二段!
『赤目四十八瀧心中未遂』、文藝春秋、1998年1月。文春文庫、'01年。直木賞。
作者が大阪で貧しい暮らしをしていたころのことをネタにした長編小説。初の物語小説で直木賞受賞。せつない。
『業柱抱き』、新潮社、1998年4月。新潮文庫、'01年。エッセイ集。
『金輪際』、文藝春秋、1999年11月。
『白痴群』、新潮社、2000年。
「武蔵丸」、2000年。川端康成文学賞。
『文士の魂』新潮社、2001
『銭金について』朝日新聞社、2002.03.
『贋世捨人』新潮社、2002.10