徐々に過ぎゆく時の歩みも、バギンズ氏にはなんの影響も及ぼさないようでした。九十歳になっても彼は五十歳の時と変わりませんでした。九十九歳になると、人々は、持ちのよい人と言いはじめましたが、不変の人と呼んだほうがあたっていたでしょう。

 

 

 

 

「親しい皆さん」ビルボは立ち上がって、口を切りました。「謹聴!謹聴!謹聴!」一同の叫ぶ声はコーラスになってくりかえされ、だれも自分ではそうしたくもないのに「謹聴」と繰り返していました

 

 

 

 

 

 

 

「ここにおられる半数の方々に対しては、存じ上げたいと思うことの半分しか存じ上げておりません。また皆さんのうち半数以下の方々に対しては、その方々が受けてしかるべき好意の半分しか抱いておりません。」この部分は予期しない表現であり、いささか難解でした。まばらな拍手があっただけで、大多数は一生懸命頭をひねって、はたしてこれはほめ言葉なのかどうか考えようとしていました。(