『時の屋敷』(1976)


(おまえが)

おまえが
言葉の影のなかで受け取った
すべての眠りの姿たち、結晶質の、

それに
ぼくはぼくの血を輸血する、

像の行たち、それらを
ぼくはかくまわなければならない
ぼくの認識がもっている
裂け目のある静脈の中に――

ぼくの悲しみが、ぼくに見えるが、
おまえに溢れ流れていく。

中村朝子訳


(ぼくの)

ぼくの
おまえに向かって曲げられた魂は
おまえが
雷雨となるのを聞く、

おまえの喉の窪みで学ぶのだ
ぼくの星は、どうやってくずれおちて
そして自分自身となるのかを、

ぼくはぼくの星を再び指で摘んで取り出す――
おいで、それと話しあってごらん
今日のうちに

中村朝子訳

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